寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『四十四、リセット、リフォーム、リフレッシュ』をアップしましたぁ。今回はタイトル通りの章です。転調の前の静けさでしょうね。小説では移動すること、歩くことがリセットの役割を果たすことがあります。じっとしていたのでは小説にならないのですね(笑)。
小説はムダが多い表現といふか、まーある意味ムダだらけの言語表現です。小説初心者がよく陥りがちなのが、細かい人物描写、細かい時間経過説明などです。やたらと顔つきや服装を細かく描写したり、何時間、何日と時間経過をキッチリ書いたりします。これはこれで初心者には必要な手続きで、慣れてくると端折るようになります。読者にとって必要か必要でないかが取捨選択の基準になるからです。
じゃあ小説がストーリーや出来事の骨だけで成り立っているのかというと、もちろんそうではありません。小説には作家の意識と意識された無意識の領域があって、必ず濃淡が生じます。意識された無意識は、物語や登場人物が勝手に動くという言い方をされることがあります。人物描写であれ時間経過であれ、意識的無意識の反映なら、いっけんムダに見えてムダではない、むしろ小説に必要な記述になります。
じゃあそういう技術をどうやって身につければいいのか。書くことですね。書いてみて読み返し、尊敬する作家の文章などを頭に思い浮かべ、少しでも不自然だなと感じたらそこには必ずムダがある。小説としてこなれていない。これはやってみるしか上達の方法がありません。行き過ぎた自己愛は禁物です。冷たく、自分の作品であって自分の作品でないように小説を読めるようになるのも重要なテクニックです。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四十四、リセット、リフォーム、リフレッシュ』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四十四、リセット、リフォーム、リフレッシュ』横書版 ■
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