寅間心閑さんの肴的音楽評『No.060 クリシェでも/デジャヴでも』&大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第20回)をアップしましたぁ。肴的音楽評にはThe dB’sが登場。知ってる人いるんでせうか。すげーな(笑)。そしてトリは水原弘。これもスゴイな。石川くらいの世代なら知ってる歌手ですけんど。
『もうすぐ幕が開く』は主人公のおちびちゃん、苦悩の篇ですが、この物語は浅利慶太さんの普段着の声が聞こえてくるようなところも魅力です。
「あいつらはね、すごく傲慢なんだよ。ね? すぐ出来たと思っていい気になる」
初めて聞いた時はどういう顔をしていいか分からなかった。多分、ちょっと俯いてしまったと思う。
「奴等はとにかく自惚れが強すぎるよ。どんどんどんどん自惚れて、自分が出来てると思い込んでるんだ。だから役者ってのは馬鹿なんだ。役者ごとき、でいいのに」
その言葉は浅利先生が発するからこそ重く、身体の内側に積み上げられていく。
「僕はね……、役者が大嫌いなんだよ」
この言葉にはさすがのおチビちゃんも驚いた。思わず顔を上げ、ちらりと盗み見た先生の顔は……意外にも優しかった――。
(大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』)
今の世の中、不用意なことを言うとすぐディスったとか批判されがちですが、浅利慶太さんは別に役者を貶したわけではありません。「先生の顔は……意外にも優しかった」というのは、なにもかもわかった上でこういった発言をなさっている。
舞台上の華が役者であるのは当然です。いったん舞台が始まれば演出家、脚本家などの裏方は背後に退く。役者はある意味なにをやってもいいわけですが、何もかも自分でできるなら裏方はいらない。舞台は様々なバランスで成り立っています。様々な力関係で成立していると言ってもいいですね。演出家は役者を時に下に見ることがあるし、役者が演出家に反発することもある。でもそれがなければ舞台の緊張感は生まれないのです。
■ 寅間心閑の肴的音楽評『No.060 クリシェでも/デジャヴでも』 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第20回)縦書版 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第20回)横書版 ■
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