ラモーナ・ツァラヌさんの『演劇金魚』『パンデミック時代の演劇と記憶の修復―岡田利規「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」』をアップしましたぁ。岡田利規さんは劇作家で演出家、小説家で演劇集団チェルフィッチュ主宰でもあります。『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』は読売文学賞受賞作です。
ラモーナさんがお書きになっていますが『挫波』と『敦賀』の二作品は新型コロナウィルスのパンデミックにより上演中止になってしまい、作品の一部が「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」と題された演奏付きのリーディング公演の形で二〇二〇年六月二十七日と二十八日にKAATの公式YouTubeチャンネルで配信されました。今回はそのオンライン配信公演のレビューです。
「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」は能の要素を取り入れた作品ですが、現代作でもあります。オンライン配信公演は戯曲の一部の上演でしたが、ラモーナさんは『今回の配信劇に即して言えば、結末がないことがとても示唆的だった。それはある意味で、演劇の世界が「途中で中止」されている現状をよく反映しているように思う。優れた作品は、こういった偶然をも呼び込むものではないだろうか』と批評しておられます。
演劇など観客を集めないとにっちもさっちもいかない芸術は、コロナで非常に苦しい状況に置かれています。もちろん今の状態が永遠に続くわけではないですが、緩やかにしか終息しないこの長い長い危機をどう過ごすのかも芸術家の大きなテーマです。岡田利規さんの試みは確かに示唆的ですね。
■ ラモーナ・ツァラヌさんの『演劇金魚』『パンデミック時代の演劇と記憶の修復―岡田利規「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」』 ■
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