第9回 金魚屋新人賞を発表しました。ぬ~、今回は該当作ナシです。新たな才能を持つ新人を渇望している石川にはちょいと辛い結果です。しっかし辻原先生の最終判断なのでしかたありません。
石川自身、新人賞については言いたいことがたくさんあります。なぜなら新人がこの先の文学の未来を支えてゆくことになるからです。この新人の才能というものに、石川を含む文学業界の人間が期待するポイントはたくさんあります。まず新たな、21世紀的な文学の可能性を感じさせてくれる作家、作品であるのは当然です。それプラス、文学の世界を変えてゆけるような力を持った新人の登場も期待しています。
何度も何度もなーんども言っていますが、文学の世界、曲がり角に来ています。既存のレールに沿って〝新人賞受賞→単行本刊行→ヒットor新人賞を通過したプロ作家の賞の受賞→安定した作家〟といふ道筋が失われ始めています。ほとんど見えなくなるくらい、既存レールに乗ってトットコ文学業界で生きてゆくのは難しい。ただ文学の世界に限らず急激な変化は起こりません。もちろん決定的な変化は起こっているのですが、同時代の人間にはそれは多くの小さな変化の一つとしか見えていないのが常です。
今現在も変化は起こっています。作品の創作の場だけでなく、文学状況の場においても静かな、だけど決定的な変化が起こっている。それを真っ先に捉えることが作家の成功の道であり生き延びる道です。単純化して言えば、作品で変化を捉えているか、状況変化を鋭敏に捉えているのか、どちらかの要素があれば新人作家は及第点です。小説という俗な物語であろうと作家は考える人です。どう考えて書いたかによって、二つの新たな要素はハッキリ作品に出るものです。
■ 第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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