ラモーナ・ツァラヌさんの連載小説『思い出の谷』(二)をアップしましたぁ。ラモーナさんの故郷・ルーマニアを舞台にした小説です。これで4作目ですが、じょじょに小説という表現形態に焦点が合ってきたと思います。
小説という表現の大前提として、論理などで割り切れる事柄はテーマにする必要がないということがあります。スパッと思想的に納得できるような事柄は小説で表現する必要がないということです。小説がまだるっこしい登場人物や時代背景、細かい事物や感情の描写などを行うのは、決して論理でも倫理でも思想でも割り切れない事柄をなんとしても表現したいからです。
それが小説のテーマと呼ばれるものですが、このテーマが強ければ強いほど小説は魅力的になります。次いで問題になるのが小説技術です。テーマが魅力的になっても技術が伴わなければ作品の魅力は増しません。別に小説に限りませんが、どんな表現も90パーセント以上は技術です。アイディアだけでは作品の完成度は増しません。
このテーマと技術はしかし、相関関係にあります。両方とも必要不可欠ですが、両者が相互に影響を与え合いながら伸びてゆくのが理想です。テーマがなければ技術は伸びませんし、技術がなければ読者にテーマが届くことはない。ラモーナさんの小説ではその良好な相互影響が動き始めたようです。
■ ラモーナ・ツァラヌ 連載小説『思い出の谷』(二)縦書版 ■
■ ラモーナ・ツァラヌ 連載小説『思い出の谷』(二)横書版 ■
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