鶴山裕司さんの連載長篇詩『聖遠耳 Sei Onji』(No.012 最終回)をアップしましたぁ。金魚屋から『日本近代文学の言語像Ⅱ 夏目漱石論-現代文学の創出』を好評発売中の鶴山裕司さんの長篇詩2,187行、最終回です。鶴山さんは長篇詩の書き方をマスターしましたね。鶴山さんの詩のマイスターは一貫してエズラ・パウンドですが、日本的な長篇詩の書き方を一つ見つけたようです。自由詩は作家の年齢や社会状況に合わせて書き方を変えてゆかないとすぐに力を失ってしまう表現ジャンルですが、この書き方で何作か長篇詩を書けると思います。書き方に自信と余裕がある。
鶴山さんの仕事は多岐に渡りますが、まぁバラバラと文学金魚にその一端を発表していただいています。20世紀の自由詩を総括して21世紀の詩のあり方を探るのが彼の詩の評論の仕事ですが、その手始めが現代詩人論です。現代詩人論が終われば戦後詩人論、近代詩人論もお書きになるかもしれません。詩の実作ではポスト・現代詩のあり方を『聖遠耳 Sei Onji』で試み、自由詩の底上げというか読者を獲得する方法を『羽沢』で探っておられると思います。
で、メインの仕事は『日本近代文学の言語像』三部作で今『正岡子規論』を仕上げてもらっています。この『日本近代文学の言語像』を書き始めた経緯がちょっと面白い。最初は詩史論を書こうと思ってリサーチを始めたら、『新体詩抄』などをこねくり回してもムダだと気づいたというんですね。幕末から明治初期の近代文学の発生を探ってゆくうちに、詩史論ではなく『日本近代文学の言語像』で子規、漱石、鷗外を論じた方がいいとお考えになったようです。原理主義者らしい原点への遡り方です。
鶴山さんには言葉と骨董や美術展時評も書いていただいているわけですが、『聖遠耳 Sei Onji』が終了しましたので、近いうちにまた新たな連載を始めていただく予定です。
■ 鶴山裕司連載長篇詩『聖遠耳 Sei Onji』(No.012 最終回)縦書版 ■
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