小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第十五回 自己投資II――自分ちをつくる』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの経済エッセイです。
小原さんは『投資というのは客観的に判断して、バランスを考えて行うものだ。それに「自己」という接頭辞が付くのが、そもそも撞着している。自己は客観視できないものだし、する必要もない。自己に対してはバランスもへったくれもない。すなわち自分に対して投資をするとは変な話で、投資した瞬間、それは他者となる。自分ができることは勉強、結果としての成長だけだ』と書いておられます。
今回は自宅のリフォームが題材ですが、『自分ちに手を入れることは自分の時空を遡り、メンテナンスすることだ。スタンスは守りだが、大切な何かの流出を防御するという意味で、やはり投資、それこそ「自己投資」に最も近いものかもしれない』と、最後まで自己投資の意味を追い詰めて考えているのが小原さんらしいですね。
『詩人のための投資術』は投資のお話ですが、詩人に限らず文学者の大多数が一番弱いのがお金の話です。それについてちゃんと書ける人も意外と少ない。半分ノンプロのような投資家が経済小説を書くことはありましたが、小原さんのように純文学・大衆文学に両足をかけているような作家が経済エッセイを書くのは珍しい。だからこそ上っ面ではなく、投資の本質が見えてくるようなところがあるのが『詩人のための投資術』の面白さです。
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