小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第十四回 自己投資I――すなわち自己矛盾』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの経済エッセイです。
小原さんは『「投資」は投資効率、結果からの逆算で善し悪しを決めるものだが、「勉強」はそうではない。どんなかたちで成果が現れるかわからないけれど、逆に言えば得るものは必ずある。いや、あるかないかは100%の自己責任だ。「自己責任」もまたひどく難しい言葉だが、この場合には納得がいく』と書いておられます。
ビジネスセミナーは基本的に投資であり投資効果が問われます。100万払って200万の利益を得られるなら投資効果はあったと言えます。ちょい前に某出版社が自社出版物を都内の書店で大量に自社買いし、書店HPなどで何ヶ月も売上No.1にしていたのがバレて叩かれましたが、投資効果としては問題ない。読売朝日毎日などの新聞に広告を打てば一日で数百万円かかるわけで、新聞広告も打ったでしょうが、それに比べれば人件費を含めても書店での自社出版物の自社買いパブリシティ効果は安いものでしょうね。
もち某出版社の行為はお手盛りであり、倫理的に問題がないとは言えません。しかし出版業は無償の福祉事業ではありません。ビジネスとして上手く回っていなければ倫理もへったくれもないことは、俳句短歌や自由詩の自費出版業界を見ればすぐにわかりますよね。
詩人さんたちは、最低でも一冊100万以上のお金を払い、かつほとんどの作家が自費出版だとは言わない。詩誌に書いている作家ほど企画出版だというふりをしたがる。でも企画出版で本がでる詩人は数えるほどしかいない。それもまたちょっとした倫理違反じゃないですかね。また純文学小説にも自費出版の波はすでに押し寄せています。どこかで金の問題に折り合いを付けなければ作家も版元も出版倫理など口にできないわけです。
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