岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『角川俳句』の2連投です。岡野さんがハッキリ書いておられますが、『角川俳句』さんの編集方針といふか、俳句に対する志は低いですな。徹底した俳句初心者向け雑誌、つまり初めて俳句をやる人向けの雑誌であり、常に常に手っ取り早く俳句を書くためのノウハウ特集が組まれています。ただ俳句というものは簡単に詠めますが、まともな俳句を書くのは難しい。短歌よりも自由詩よりも小説よりも、優れた作品を書くのが難しいのが俳句です。ハンディなノウハウを吸収したくらいで俳句の秀作が書けるなら苦労しない。
文学金魚では、様々な俳人が次から次に書いていて、それなりに俳壇の動きがわかるので商業句誌の時評を続ける予定ですが、俳句に対して高い志を持っている作家は、俳句初心者向け雑誌に特化してしまった商業句誌を〝決して俳句の世界そのものとは捉えないこと〟をお勧めします。初心者向け句誌である雑誌に取り込まれてしまうと、その作家の俳句は間違いなく堕落します。『商業句誌はいつの時代でもこんなもの』といった達観が必要です。
たいていの俳人は本当に井の中の蛙です。結社や同人誌の集会で生意気なことを言い散らし、年長俳人や商業句誌を糞味噌に貶していても、結局は年長俳人に可愛がられて句集を出した暁には賞の一つも落ちてきて、生意気な批判を評価してくれた商業句誌から執筆のお座敷がかかることを期待している。他力本願で俳壇的に出世すること以外、興味がない。でも他人は自分の思い通りにならないから、性懲りもなく有名俳人と俳壇の悪口を繰り返している。要するに俳人はヒマ。
文学の世界で志が高いということは、孤独と孤立を怖れないことを含みます。結社であれ同人誌であれ、群れることに馴れた俳人にはそれが難しいのでしょうね。しかしたいていの人は、群れて衆を頼みにする連中を嫌います。自分が俳壇でそんなイヤなことをしているという意識があるなら、自分たちでなんとかしなさい。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌・角川俳句』『No.110 鈴木牛後 角川俳句受賞作品「牛の朱夏」(2018年11月号)』 ■
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌・角川俳句』『No.111 大特集「歳時記」徹底活用(2018年12月号)』 ■
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