『寅間心閑の肴的音楽評』『No.041 逸話/風評』&大畑ゆかり原案 寅間心閑著 新連載小説『そろそろ幕が開く』(第01回)をアップしましたぁ。寅間さんのコンテンツ2連投です。今回から金魚屋代表の大畑ゆかりさん原案、寅間さんノベライズの小説『そろそろ幕が開く』が始まります。大畑さんの自伝のノベライズです。今回は大畑さんことおチビちゃんが劇団四季に入団するまでです。
日本には星の数ほど劇団がありますが、明治維新以降に結成されて継続的に活動を続けている劇団は数えるほどしかありません。青年座、俳優座、民芸などは新劇と呼ばれます。能や歌舞伎の古典演劇に対する新劇、という名称からわかるように歴史ある劇団です。上演する戯曲はチエホフなどがすぐに思いつきますね。基本的には御維新以降に日本に入ってきた欧米演劇の古典――つまり起承転結のある物語演劇を上演することが多いです。新劇以外で継続的に運営されている劇団では宝塚歌劇団と劇団四季が代表的です。どちらもミュージカル(レビュー)を上演する劇団です。
戦後の前衛演劇を担ったのはアングラ劇団や小劇場と総称される劇団ですが、長く活動しているなぁと思っても、結局は解散してしまうことが多い。基本的に劇団の主宰一代限りなのです。これに対して青年座、俳優座、民芸、宝塚、四季は主宰(代表)が変わっても劇団が維持されています。それだけ根強いファンがいるということです。宝塚と四季はさらに旗幟鮮明ですね。宝塚は女性だけのミュージカル劇団であり、四季はコマーシャル・ミュージカルしかほぼ上演しません。
宝塚と四季のシステムは似たところがあります。宝塚は○○組に分かれていて、四季も一つの公演を複数のキャストで行います。その気になれば日本各地で同じ出し物を別の俳優を使って上演できるのです。俳優が風邪などで休演しても、代役を立てられるシステムです。
劇団がシステマティックに運営されていることからわかるように、宝塚や四季の俳優育成システムは効率的です。新劇的演技を身につけるのはもちろん、歌って踊れなければなりません。そこで揉まれた俳優たちが、退団後にさまざまな形で活躍している理由もそこにあります。『そろそろ幕が開く』には俳優が育ってゆく様子が描かれています。
■ 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.041 逸話/風評』 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 新連載小説『そろそろ幕が開く』(第01回)縦書版 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 新連載小説『そろそろ幕が開く』(第01回)横書版 ■
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