寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『十四、ペガッサ、チブル、ペロリンガ』をアップしましたぁ。普通の感覚で言うとエロエロ小説なんですが、抑制された文章ですねぇ。はしゃいだところが一切ない。読者を強く意識した小説です。
小説はフィクションです。虚構だからわたしたちは殺人やイジメ、虐待などの記述に耐えられる。時にはドキドキして読むこともあります。『助平ども』は性描写満載ですが、それによって作家が何を表現しようとしているのかだけが文学の問題として問われます。タイトルになっているように、この作品では性が大きなポイントになっている。
要は作品世界と現実世界――読者を含む――との距離の取り方なんですね。エキセントリックな現実事象を書けば、読者が驚いてくれると思うのは甘いです。その提示の仕方によって、まず読者は作品を読むか読まないか決めてしまう。作家と書かれている内容に距離がないと、作品は気持ちの悪いものになってしまう。初歩の初歩ですが、どう読まれるかを意識していない作品は公表の前段階にあります。
作家は実体験を書いているな、こういうことが本当に好きなんだろうな、と読者に思われてしまうようではダメです。もしかして作家はこういうことが好きなんじゃなかろうか、実際に体験したことがあるんじゃないか、と思わせなければならない。それを作家の方が小出しにして、「もしかしてそうかもよ~」と読者を煽ることができれば及第点ですね(笑)。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『十四、ペガッサ、チブル、ペロリンガ』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『十四、ペガッサ、チブル、ペロリンガ』横書版 ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 金魚屋の本 ■