連載翻訳小説 e.e.カミングズ著/星隆弘訳『伽藍』(第23回)をアップしましたぁ。『第四章 新入り』の続きです。食事のシーンです。『大部屋の住人たちの瞬く間の変貌を目の当たりにし心を打たれずはいられなかった。かの妖女キルケーが男に仕掛けていた呪(まじな)いの獣物(けだもの)変化だってこれには及ぶまい』とありますが、アメリカ文学らしいですね。
日本の文学批評家は、昔からですがフランス文学に親しんだ人が多いです。本格的哲学ならドイツですが、フランスの文芸批評は単独で読んでも魅力があるのが最大の理由でしょうね。フランス文学のエセーは哲学的随想でもあります。
ただま、日本の創作者では、英米文学を学んだ人、好きな人で案外大物作家が多いんです。夏目漱石や西脇順三郎がそうです。最近では村上春樹さんかな。フランス文学より英米文学の方法とか感性の方が、批評と創作を切り離しやすい面があるのだと思います。
評論などを実際に書くかどうかは別にして、創作者は批評と創作を、どっかで切り離さないといけません。それには英米というか、アングロサクソン的な二項対立的思考方法が案外有効です。創作は人間精神の灰色の部分に切り込むからこそ、その前段階でどこまで白か黒かを判別できる思考法が有効なのだと言えます。
■ e.e.カミングズ著/星隆弘訳 連載翻訳小説『伽藍』『第四章 新入り』(第23回)縦書版 ■
■ e.e.カミングズ著/星隆弘訳 連載翻訳小説『伽藍』『第四章 新入り』(第23回)横書版 ■
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