鶴山裕司さんの連載文芸評論『日本近代文学の言語像Ⅰ 正岡子規論-日本文学の原像』『Ⅱ 子規小伝(六)』をアップしましたぁ。『日本近代文学の言語像Ⅱ 夏目漱石論-現代文学の創出』(近刊予定)に次ぐⅠの子規論先行アップです。総合文学の時代の小伝で、これで子規小伝篇は完結です。
『日本近代文学の言語像』シリーズは序論と小伝から始まっていますが、これは現代の文学状況では必須だと石川は考えます。一昔前には共通事項になっていたような事柄が揺らぎ始めています。近代文学の古典中の古典である子規漱石鷗外も例外ではありません。なぜ古典作家なのか、彼らは何をした人なのかという概論から始めなければならない時代になっています。
で、鶴山さんの論は文学を総合的に捉える視点があるので、漱石論でも画期的な指摘がいくつもあります。漱石論では子規と漱石の文学的影響関係が初めて明確になりました。『坊っちゃん』や『行人』『心』の読解も、内容に即したほぼ完全なものだと思います。子規論でも同じことが起こるでしょうね。俳句・短歌の原理が明らかになると思います。
現代の文学批評は〝創作批評〟になっています。文学作品をダシにして、批評家があたかも誌や小説を書くような曖昧さで評論を書いています。そういった評論は批評家の自己満足意識を満たすことはあっても、文学にまったく寄与しません。『日本近代文学の言語像』は批評を本来の姿に戻すための評論集シリーズでもあります。
■ 鶴山裕司 連載文芸評論『日本近代文学の言語像Ⅰ 正岡子規論-日本文学の原像』『Ⅱ 子規小伝(六)』縦書版 ■
■ 鶴山裕司 連載文芸評論『日本近代文学の言語像Ⅰ 正岡子規論-日本文学の原像』『Ⅱ 子規小伝(六)』横書版 ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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