寅間心閑さんの『寅間心閑の肴的音楽評』『No.034メリークリスマス、ルーディー』をアップしましたぁ。今回はウィザード、ザ・ポーグス、山下達郎が酒の肴です。寅間さんは居酒屋で聞いた『最近じゃあさ、ハロウィーンが来ると年末って感じがするらしいよ』という話を書いておられます。石川の幼少のみぎりは、クリスマスってのは外国のお祭りぢゃねーか、と毒づくオヤジがまだいましたが、絶滅しましたね(笑)。しっかしハロウィーンは根付くんでせうか。若者たちの仮装といふか、コスプレとどんちゃん騒ぎは、本来のハロウィーンとあまりにもかけ離れていると思ふんですけどねぇ。
益田鈍翁という明治の実業で古美術の収集家がいます。三井財閥のトップの方で、今と税制なども違いますから、とんでもないお金持ちでした。でもいつの時代だって、高い給料をもらっている人はヒマぢゃない。鈍翁さん、揮毫を求められるとよく『忙中閑』と書いておられた。忙しい中でも閑な時間はある、といふ意味ですね。ただ閑な時間を誰かに邪魔されたくない。鈍翁さんは、閑な時間を見つけると骨董屋などに行って遊んでいたわけです。
忙しいとはどういうことか、と時々考えることがあります。もちろん食べたり寝たりする時間以外、ずっと働いておられる方もいらっしゃると思います。だけどたいていの人はそこまで忙しくない。でもわたしたちは友だちや知り合いに連絡するとき、かなりの確率で『忙しい?』と聞き、相手も、自分だって『うん、けっこう忙しいねー』と答えたりしています。それはウソぢゃない。だけんどずっと忙しいわけぢゃない。
忙しいって、気が急いているといふことぢゃないかと思います。あれもやんなきゃ、これもまだやってないと、気持ちばっかり急いている。だけど仕事ってそう簡単に終わらない。完成しない。それに次々仕事は増えてゆく。そういう気持ちの焦りを抱えているから、どうしても『忙しいねー』と答えてしまうのだと思います。
んで、他人には『忙しい』と言いながら、どっかで息抜きして遊んでる(笑)。そういう時間は人間にとって必要不可欠だと思います。できれば待ち合わせなんかもしたくない。予定が入っているだけで、なんとなく仕事っぽくなってしまいますから。そういう一人っきりの息抜きの時間に寅間さんは酒を飲み歩いておられる。エッセイで書いておられるほどヒマぢゃないと思いますよ(笑)。
■ 寅間心閑 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.034メリークリスマス、ルーディー』 ■
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