小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第三回 アービトラージ――今そこにある詐欺 Ⅱ』をアップしましたぁ。石川の説明が不正確だったので、小原さんがアービトラージについてきちんと解説なさっています。
自宅を挟んで、西のマーケットでは100円でリンゴ1個が売り買いされている。東のマーケットでは100円でリンゴ2個が売買されている。あなたは100円持って東のマーケットでリンゴ2個を買い、その2個のリンゴを西のマーケットで売る。すると200円となり、つまり100円の利益が生まれる。要するにリンゴの転売、せどりというやつだ。リンゴを安く買って高く売る。このリンゴが米ドルだったり、仮想通貨のビットコインやリップルだったりしてもよい。1ビットコイン今、何円なのか、世界中の取引所でちょっとずつ価格が違うのだから。
このめんどくさい作業を代行してくれる、というのがアービトラージ業者であり、最初に6万円なり1ビットコインなりを預けて運用してもらう。その預入金が飛ぶ、というのが詐欺の懸念である。
(小原眞紀子『詩人のための投資術』)
なるほど(笑)。今、仮想通貨がゴールドラッシュになっているのは確かなんですが、それに正比例して詐欺商法が蔓延しています。小原さんは『シンプルさは詐欺案件についても一定の美意識を満たす。つまりダマされた方が「ああ、そうだったか」と虚を突かれたような、一種の爽快感を覚えるものが《美しい詐欺案件》というものではないか。虚を突かれるというのは、人間としての虚を突かれるのであって、複雑になればなるほど感動をもたらさない』と書いておられます。サスペンス小説の原作者らしひですね(笑)。
お金について書くのは神経を使います。ムックのノウハウ本のように、『○○すれば資産100倍!』という視点はある意味潔いのですが、個人の経済状態をベースにそれを政治や経済と絡めるとなかなか難しい。人間、どこかの時点でお金問題を達観する視点を得るのが理想です。あくまで理想ね(笑)。ただ政府や官僚を批判しているだけではダメだと思います。ある程度は経済について、お金というものを勉強して知る必要がある。小原さんの『詩人のための投資術』は本質的にはお金問題を相対化するためのエッセイです。
■ 小原眞紀子 連載エセー『詩人のための投資術』『第三回 アービトラージ――今そこにある詐欺 Ⅱ』 ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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