小松剛生さんの連載ショートショート小説『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『NO.045 詩人発電所①-③〜ステレオタイプ調査部門その1-3』をアップしましたぁ。今回はちょっと長い小説になるようです。『詩人発電所』はto be continuedです。
詩も同じですが、最初から長い作品を書ける作家はまずいません。新人小説家なら、頑張って200~250枚ってところでしょうね。この長さの作品をコンスタントに書けるようになると、少なくとも筆力的にはOKです。ただし純文学という大前提で、かつ狭き門で数少ない純文学誌で新人賞デビューするという関門を突破しない限り、200-250枚の小説には少なくとも3つくらいの山が必要になります。プロットが不可欠だということです。
乱暴なことを言うねと批判されそうですが、純文学って退屈です。迫力ある作品はほんの一握りで、純文学誌にはこれがなぜすんばらしい小説なんだろ、と首を傾げてしまう純文学作品が掲載されています。実際ほとんどの純文学作家の小説は売れていません。乱暴ついでに言えば、石川は作家の〝幸福〟として最初から純文学作家を目指すのはおすすめしません。
書きたいこと、テーマがあるのが純文学作家です。ホラーやサスペンスなど、どんな小説形態になろうともそれが消え去ることはありません。まず小説の大前提であるプロットの立て方を覚えた方が絶対にいい。純文学的作法はトリビアルなものであり、それにどっぷり漬かってしまうと抜けられなくなります。
ただ小松さんの場合はプロットを立てるという方法とは別の道行きを考えた方がいいと思います。村上春樹さん的に、短編を長編に仕立ててゆく方法がやはり一番合っているように思います。多分、小説を構造として捉えるのが難しい作家でしょうね。それは作家としての短所です。だけど創作者は必ずと言っていいほど短所を伸ばすことで成熟してゆくのです。長所はほっといても伸びる。自らの短所を自覚することが最も重要です。
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■