連載翻訳小説 e.e.カミングズ著/星隆弘訳『伽藍』(第21回)をアップしましたぁ。『第四章 新入り』の続きです。ヤンキー(半グレ不良のことではありませんよ)が、ヨーロッパにてこずってますね(笑)。でも囚われの身となっても明るい。異文化を見てやろうという姿勢があります。
『伽藍』は第一次世界大戦の体験を元に書かれたのですが、一次大戦は芸術の世界で革命的運動を巻き起こしました。ダダイズムです。ヨーロッパ全土が焦土になり、多くの若者が亡くなったこの時期に、いっそのことすべて破壊尽くしてやろうという虚無的でラディカルな運動が起こったのです。ただダダイズムの精神を生涯に渡って持続させたのはマルセル・デュシャンしかいなかったと思います。
久しぶりのデュシャン展が東博で開かれたので、石川、見に行ったんですね。ん~でしたねぇ(笑)。もそっと充実してるかと思った。まあフィラデルフィアから大ガラスオリジナルや遺作を運んでくるわけにはいきませんものねぇ。ただ改めてデュシャンの絶望の深さを見たように思います。
20世紀芸術はダダからフランスシュルレアリスム中心に進んだわけですが、それと平行してアメリカではモダニズムが盛んになりました。パリ在住のアメリカ人によって主導されたと言っていいかな。そこでも希望や絶望が生まれたのですが、ヨーロッパとは質が違う。現代はそれら全部をひっくるめて20世紀を全体的に見渡す時期に来ているでしょうね。カミングズ作品はそのための重要なテキストの一つです。
■ e.e.カミングズ著/星隆弘訳 連載翻訳小説『伽藍』『第四章 新入り』(第21回)縦書版 ■
■ e.e.カミングズ著/星隆弘訳 連載翻訳小説『伽藍』『第四章 新入り』(第21回)横書版 ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■