大野ロベルトさんの連載映画評論『七色幻燈』『第三十回 映画のぬりえ(最終回)』をアップしましたぁ。『七色幻燈』は今回で最終回です。黒沢明監督『どですかでん』を取り上げておられます。黒沢中期の秀作ですね。晩期の『まあだだよ』公開当時は、石川の周囲でも『もういいよ!』という声が湧き上がりましたが、傑作を生み出した創作者はそれと同じ数くらいの駄作を作る権利がある(笑)。これはエズラ・パウンドが言ったんでしたっけね。
確かジェイムズ・ジョイスが『ユリシーズ』刊行後に、出来がいいとは絶対言えない詩集『ポームズ・ペニーチ』を刊行した際のエズラの言葉だったと思います。日本では詩人と小説家がくっきり分かれますが、欧米では両者を兼ねる創作者がかなりいます。ただやっぱり両方のジャンルで傑作を書いた作家は少ないですね。
大野さんは詩、小説、評論を書くマルチジャンル作家です。この道はかなり厳しい。複数ジャンルに手を染めるからと言って、作家の評価が自動的に上がるほど文学の世界は甘くない。なんらかの形で突出した仕事を生み出さなければ、中途半端な作家で終わることもしばしばです。ほぼ成功例がないのです。
金魚屋新人賞を受賞した作家には三十代くらいが多いです。そろそろ皆さん最初の正念場。金魚屋は新人賞授賞作家たちを責任を持ってテイク・ケアしますが、結局は作家次第。今まで以上に圧の高い作品を書かなければ先はありません。大野さんには引き続き仕事をしていただきます。
■ 大野ロベルト 連載映画評論 『七色幻燈』『第三十回 映画のぬりえ(最終回)』 ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■