田山了一さんのテレビドラマ批評『No.182 探偵が早すぎる』をアップしましたぁ。読売テレビ、日本テレビ系で毎週木曜日に放送されているドラマで、滝藤賢一、広瀬アリス、片平なぎさ、水野美紀さんらが出演しておられます。原作は井上真偽さんの同名小説です。
田山さんは『ドラマを支配する究極の神は、ウッディ・アレンが言うように脚本家で、その神の拠りどころとして原作があるとしたら、原作こそがドラマを生む女神である』と批評しておられます。このドラマは井上真偽さんの小説が原作なので、コンパクトかつ無理なくまとまっています。
莫大な遺産を相続した女子大生(広瀬アリス)を大財閥の女帝(片平なぎさ)が亡き者にしようとするのですが、謎の家政婦(水野美紀)の依頼を受けた探偵(滝藤賢一)が完全犯罪のトリックを予想して、それを防いでゆくというお話です。トリックの数だけドラマを作れますし、ドラマを通底するテーマとして大財閥の女帝と謎の家政婦、それに女子大生の関係を、さらなる謎解き要素として織り込むことができるわけです。
テレビでも小説でも連続モノは一貫した具体的テーマがあり、それを中心にして毎回事件を起こしてゆくのが基本です。途中で主軸となるテーマがブレると最後の方で物語がグズグズになってしまう。だいたいは主軸テーマの底が浅くて連続物語の最後までもたないので、ビミョーにテーマが揺らいでしまうんですね。
逆に言えば奥行きのある主軸テーマがあれば、物語は最後まで緊張感を保てます。脚本家は毎回の視聴率を気にしがちですが、原作が小説だと主軸テーマがはっきりしている。もちろん毎回のドタバタで視聴率が取れることもあるでしょうが、原作のあるドラマが安定しているのはテーマの一貫性のゆえです。
■ 田山了一 テレビドラマ批評 『No.182 探偵が早すぎる』 ■
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