寅間心閑さんの『寅間心閑の肴的音楽評』『No.027 わざわざ!』をアップしましたぁ。今回はくるり、NGラ・バンダ、トム・ロビンソン・バンドが酒の肴です。音楽は人の感性に訴えかけてくる芸術です。その分、スッと理解できるところがあるんですが、自分の好きな音楽を他人に好きになってもらうのはけっこう難しい。『これ、聞いてみて』とCDを渡されて、困った経験が誰にも一度や二度はありますよね。あのアーチストは素晴らしいvsそうかなぁ派で議論するくらい不毛な時間はありません(爆)。音楽や絵に関しては、基本他人の〝説得〟はしない方がよろし。
ただ物書きにとっては音楽などの感性に訴えかけてくる芸術はとても大事です。言語芸術は基本的に、言葉の中に人間の思考や感性を封じ籠める芸術です。そのため必ずと言っていいほど論理的な構造が生じます。あえて構造を壊すことも含めて、思考の流れは読み取られてしまうのが常です。しかし音楽や絵画は違う。作品が出来てしまってから思考がそれに付随してゆくようなところがあります。創作者ですら、自己の作品を後になって〝ああそういうことか〟と思うようなところがあるわけです。
小説家や詩人がエッセイなどを書くとき、何を対象にするのかはけっこう重要です。生活の機微を書いてゆくと、作品とハレーションを起こして内容的にかぶってしまうことがあるからです。ちょいと言いにくいですが、名エッセイストに名作家はいませんよね。できるだけ本業とは違うジャンルをエッセイの対象にした方が安全という面がある。寅間さんの酒飲みエッセイは、基本小説作品とハレーションを起こしていません。創作者のカンが働いているとも言えるでしょうね。
■ 寅間心閑 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.027 わざわざ!』 ■
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■