山際恭子さんのTVドラマ批評『No.178 コンフィデンスマン JP』をアップしましたぁ。フジテレビの月9ドラマで長澤まさみ、東出昌大、小日向文世さんがレギュラー出演しておられます。長澤まさみさん演じるダー子を中心に、世の悪い奴らを詐欺にかけてゆくドラマです。Confidence manは信用取り込み詐欺師のことです。脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』や『リーガルハイ』で知られる古沢良太さんです。やっぱ脚本がいいとドラマの仕上がりもいいですね。
第三話を取り上げておられますが、石黒賢さん演じる悪徳美術批評家・城ヶ崎を詐欺で懲らしめる話しです。でも城ヶ崎、バカじゃない。山際さんはそこのところを『脚本の古沢さんは、いったん名声を得た美術品の価値が〝他者の欲望〟だということを知っている。そういう他者の欲望につき動かされているコレクターのために美術批評家(鑑定家)がいる。城ヶ崎は価値がわからない人から安く買っても、名画を欲しがる金持ちに高値をふっかけて売ってもいいと見切っている。高い安いと文句を言い出すのは城ヶ崎が〝値段を付けたあと〟の話しだ。そういう意味で美術評論家は画家よりも絵画界に君臨している』と批評しておられます。
山際さんは『詐欺ドラマでは、だます側にもだまされる側にも〝知性〟がなければ面白くない』とも書いておられます。テレビドラマである業界の内部を描くとき、たいていは通り一遍の知識を仕入れて書くので、詳しい人が見ると『ん?』となることが多い。『コンフィデンスマン JP』ではそれがないのがさすがです。もしかすると古沢さん、ハイスミスの『リプリー』シリーズを参考になさっているのかもしれません。ただ石川も見ましたが、『コンフィデンスマン JP』、秀作だと思います。
■ 山際恭子 TVドラマ批評 『No.178 コンフィデンスマン JP』 ■
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■