大篠夏彦さんの文芸誌時評『文芸5誌』『No.114 日上秀之「あの人を見つけたならば」(文學界 2017年06月号)』をアップしましたぁ。2017年上半期同人誌優秀作、日上秀之「あの人を見つけたならば」を取り上げておられます。石川も読みましたが、ん~文學界的純文学小説だなぁ。純文学は業界を形作っていますが、その中核を為す作家と編集者の頭の中には、文學界的純文学でなければ純文学ではない、という固定概念があるようです。でもそれが、石川のような純文学業界の外にいる人間には内容ではなく、書き方のパターンに見えてしまうのが問題です。でもま、いつの時代でも既存業界団体は手強いです。
で、今号から文学界に連載マンガ「文豪春秋」が掲載されています。大篠さんは『第一回は「走れ芥川賞」だ。文藝春秋社が芥川賞を走らせている、または文學界は芥川賞と共に走り続けてきたということだ。世の中にはまだ、芥川賞は日本の文壇(文学者たち)が総力をあげて優れた作品を選んで授与する賞だと思っている人がかなりいる。もちろんそんなことがあろうはずもない。マンガという形であれ、文學界が芥川賞は自分たちが所有する大事なコンテンツだと宣言するのはいいことだ。他の文芸誌がこんなマンガを掲載したら怒られる。純文学の世界は芥川賞中心に回っているが、他社は自分たちが抱えるコンテンツをなんとか芥川賞に喰い込ませようと必死というのが現実だ。そうしないと純文学小説は売れないのだ』と書いておられます。
これもん~ですが、ここまで来たかぁという感慨が湧きますね。芥川賞って、原則的に文藝春秋社と文学界の所有物なんですよ。それを文藝春秋社文學界が自ら宣言し始めたのは何かの終わりなのか、始まりなのか。どーでもいいですが、文學界さん、尻まくりすぎって感じがちょいとしますですぅ。
■ 大篠夏彦 文芸誌時評 『No.114 日上秀之「あの人を見つけたならば」(文學界 2017年06月号)』 ■
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■