岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『No.087 特集「俳句のユネスコ無形文化遺産って何?」(月刊俳句界 2017年09月号)』をアップしましたぁ。ユネスコの無形文化遺産に俳句を登録しようという運動が本格化しているようで、その特集を取り上げておられます。ユネスコは世界遺産が有名ですが、無形文化遺産はそれとは別です。すでに日本で12の団体が登録されているようです。簡単に登録できそうなのですが、それなりに大変みたいですね。
特集には国際俳句交流協会会長で結社誌「天為」主宰の有馬朗人へのインタビューが掲載されていますが、ん~確かにお粗末な議論ですねぇ。相も変わらぬ杓子定規な俳句の定義、うんざりするような俳句至上主義です。ただ俳壇では大結社の偉い方には逆らわないのが基本です。多少批判的なことを書いたりするのは結社無所属の人がほとんどですが、それは黙殺されるからだいじょうぶ。国会ほどにも開かれてないわけですが、全体主義国家の締め付けとも違うな。組織を私物化できる中小企業のワンマン社長の集まりに近いかな(爆)。
念のために書いておくと、文学金魚は現実俳壇を変えたいと思っているわけではないです。俳壇をどうするかはあくまで俳人たち次第。またたとえ現実俳壇を批判しても俳句至上主義者の仲間なら、批判側が既存側を打倒してもまた新たな権威集団に成り代わって今と同じ俳壇システムに落ち着くのが関の山です。
ただ俳壇が歌壇と比べても極めて特殊な場であり、文学のあるべき姿から遠い、あるいはどんどん文学の問題から遠ざかっていることは指摘したいですね。俳句に一生懸命になった俳人はまず間違いなく俳句至上主義者となり、批判的でも体制内反体制程度で終わるわけですが、それではダメ。俳壇と俳句文学を相対化して捉えるのが先です。俳壇がなせこんな特殊な場なのか熱もなく説明できれば、実作と批評も自ずから変わってゆきます。俳人以外、一般人は俳壇の特殊性をまったく知らない。基本、文学としての俳句にちょっと興味があるだけなのです。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.087 特集「俳句のユネスコ無形文化遺産って何?」(月刊俳句界 2017年09月号)』 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■