岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『No.086 「反戦特集 平和の礎となった俳句」(角川俳句 2017年08月号)』をアップしましたぁ。岡野さん、特集について『何をしたいのかさっぱりわからない。「反戦」というのは誰が考えても〝戦争反対〟という立場であり意思表示だろう。しかしそこに「平和の礎となった俳句」がくっつくと話が違ってくる。「平和の礎」と言うからには第二次世界大戦(太平洋戦争)が前提になっているわけだが、この時代を背景とする「反戦」と「平和の礎」には大きな隔たりがある。言うまでもないが太平洋戦争中の日本で反戦の意思を表明するのはものすごく難しかった。歴史の襞を探ればすぐわかることだが、戦中と戦後では反戦の重みがぜんぜん違う』と書いておられます。
また『「反戦特集 平和の礎となった俳句」といった特集は、はっきり言えばジャーナリズムがその場限りの思いつきで生み出したお題目に過ぎない。雑誌編集部の思いつき特集を、執筆者が必死になって忖度して特集ページを埋めている見飽きた光景である。なぜ編集部の思いつき特集を頑張って忖度しなければならないのかというと、編集部に自分は〝使える作家〟だとアピールするためである。はっきり言えば、こんなふうにジャーナリズムに飼い慣らされ、依頼仕事をやっつけ仕事としてこなしながら作家はダメになってゆくのである』と批評しておられます。
世の中には権威というものがあります。ある業界とかジャンルで、そこが中心と見なされるような価値観を持っている組織などです。しかし価値観は不変ではありません。時代変化に応じて不断に変化・更新されてゆかなければなりません。それを怠ると権威は息苦しい旧弊を押しつける圧力機構になってしまいます。数ある仕事から料理屋を選んで店を始めたのに、そこで出されたご飯がまずかったら誰だってがっかりしますよね。やる気がないなら辞めたらよろし。それは作家も権威と呼ばれる組織も同じです。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.086 「反戦特集 平和の礎となった俳句」(角川俳句 2017年08月号)』 ■
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