青山YURI子さんの連載小説『コラージュの国』(第08回)をアップしましたぁ。「僕も君の可能性を手伝おう」というのが『コラージュの国』の一つの思想的焦点だと言えるでしょうね。またそれをどこまで具体化できるかが〈作品〉の焦点になるかと思います。
作家の中には音楽や絵画、匂いといった感覚的なものまでも文学作品で表現できないかと模索する人がいます。作家でなくても子供の頃にそういった本を夢想した人も多いと思います。しかし年を重ね文字の世界に慣れるに従って、そういった夢の本はじょじょに遠ざかってゆきます。ただそんな指向を持った作家のテキストは特殊なものになることがあります。ランボーや宮沢賢治のテキストなどはそういった指向を内包しているでしょうね。
またマルチメディア的なテキストへの指向は、ジャンルの概念をも飛び越えることがあります。なぜ文字は意味の伝達の道具でなければならないのか、なぜ小説と詩と戯曲と評論が混じり合ってはいけないのかという問いも生まれてきます。もちろん実現は難しい。原理を言えば各ジャンルにはそのアイデンティティと呼べる掟があるからです。しかしそんな掟を承知の上でアクロバティックにジャンルを越境しようとすれば、新鮮で残酷な作品が生まれる可能性があるのも確かです。
どんなジャンルでも新しいことを為そうとすれば茨の道が待っています。今ある既存のレールにアジャストするのとはまた違う苦労があります。参考になるようなプレ作品はあるようでないでしょうね。青山さんにはやりたいことを全部やり尽くす勢いで暴れていただきたいと思います。
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第08回)縦書版 ■
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第08回)横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■