田山了一さんのテレビドラマ批評『No.172 ドクターX〜外科医・大門未知子〜』をアップしましたぁ。毎週木曜日夜9時から日本テレビさんで放送されていたドラマです。米倉涼子さん主演で西田敏行、草刈正雄、岸部一徳、内田有紀さんらが出演しておられました。脚本は林誠人、寺田敏雄、香坂隆史さんです。
それらしく作ってありますが、『ドクターX』はフィクショナル医療ドラマです。田山さんが『高額であれば、患者の数が限定される。数少ない患者しか診なくなった医者は腕が落ちる、というわけだ。保険のきかないセレブ向け自費医療が、標準医療に比べてかえって危険なことがある、というのは知っていていい。それはむしろ健康体であるときの贅沢な趣味、と割り切って考えるべきかもしれない。医療の世界にとって、金銭以上に価値があるのは症例、ということもある』と書いておられる通りです。
これは作家にも当てはまりますね。書かなきゃテクニックは身につきませんし、作品を量産する力もつきません。作品量産のノウハウは難しいようで単純なところがあります。次々書けば、自ずと常日頃からネタを探すようになる。ネタのストックができると、今回はこのネタのここまで書いておこうというふうになる。文章にも余裕ができるわけです。後生大事に一つのネタを抱えていても、たいていの場合、書いても人はそれほど驚いてくれません。また誰を読者と想定して書くのかも大事です。
テレビドラマの場合、リアリティを軸に据えるのか、『ドクターX』のようなある種の勧善懲悪的な痛快感を求めるのかで作り方が違ってきます。ただ小説でもドラマでも、リアリティを追求しすぎればノンフィクションになってしまうわけで、テーマに沿ったスマートなリアリティの処理が重要になります。テーマに沿ってきっちりリアリティが処理されていれば、読者や視聴者は現実との齟齬をあまり意識しないものです。
■ 田山了一 テレビドラマ批評 『No.172 ドクターX〜外科医・大門未知子〜』 ■
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