青山YURI子さんの連載小説『コラージュの国』(第05回)をアップしましたぁ。『コラージュの国』への旅と同時に青山さんの小説の旅も続いてゆきます。この物語、どこに着地するのか石川も予想できません。ただどういう形であれ、青山さんが未踏の地に一歩一歩足跡を残してゆくのは確かだと思います。
小説は自由な表現のようで、けっこう底の固い表現芸術です。青山さんのように、小説の外に飛び出してしまうような勢い、あるいは表現欲求を持つ作家さんでも、アルツールとアンヘラという主人公を設定して、ある一定の時空間を使って物語を展開してゆかざるを得ません。
そのほかにも小説には様々なプレッシャーがのしかかります。物語というものは、結局のところ読者が読んで〝面白い〟と言ってくれなければ成立しないところがある。自分の読書体験を思い起こせば当然のことです。じゃあ小説の面白さはどういったものなのか。そこに作家独自の表現の独壇場があります。
単にストーリーが面白いだけでは物足りない。そういった小説はすぐに記憶から消えてしまう。だけど動きも事件もない、平坦な物語も食い足りないところがある。いずれの場合でも、どこかの時点でアクロバットを演じて面白さを盛り上げてゆかなければなりません。最後の一行でどんでん返しがある小説も多いのです。
石川は飛び上がろうとして、どうしてもそれができなかった鬱屈した小説も好きです。その反対に飛び上がって壊れてしまった小説にも魅力があると思います。一番ダメだと思うのは、適当なところで落としどころを作ってしまった小説です。要は志が低い。作家の個性というものは、激しく怖れながら、最後のところ、怖れを知らない表現に赴く勇気だと思います。
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第05回) 縦書版 ■
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第05回) 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■