『第4回金魚屋新人賞 『総評』辻原登』をアップしましたぁ。第4回金魚屋新人賞は辻原登奨励賞・文学金魚奨励賞ともに受賞該当作なしで、辻原先生が松原和音さんの『学生だった』を佳作にお選びになりました。この結果、金魚屋的にはあまりよろしくないわけで、さっそく齋藤都御大から『石川テメーなにやってんだ☆♣△♪⦿♨♡@!』といふお叱りが飛んできました。う゛~。
ただまあ今回の選考については辻原先生が『総評』で書いておられる通りです。今回の結果を受けて文学金魚では『文学新人賞のすべて―作家デビューのための心得』というコンテンツも設け拡充していく予定ですが、文学の世界、そんなに甘くありません。文学者を目指す人が100人いれば、まがりなりにもデビューできる人がそのうち1人くらいというのはほかの表現ジャンルと変わりません。ただホントに好きな表現であれば知力・体力すべてを傾けてチャレンジし、その都度敷居を超えてゆけるはずだと思います。
純文学系作家の場合、どうしても表現したい内容を抱えていることが作品を書き、仕上げてゆく最も大きな牽引力になります。ただそれを表現した作品で注目されたとしても、一作で表現し尽くしてしまうくらいなら、じょじょに読書界から忘れられていきます。内容を様々な角度から表現できる技術を持つこと、また内容をどんどん深めてゆくことが必要です。
では特に表現したい内容がなく〝作家になりたい〟のが最大の目標の人はどうか。そういった方は読者を喜ばせ楽しませることを念頭において、徹底して指導を受ける必要があります。エンタメ出版の編集者から『君はもしかして自分がとっても特権的な文学者先生で、自分が書いた作品がそのまま世に出ると思ってないかい?』と言われたエンタメ作家は多いです。ただ型にはめた厳しい制約の中で大量のボツ原稿を抱え作品を量産してゆくと、作家になりたいという目標しかなかった人の中にちゃんとテーマが生まれてゆくから不思議なものです。
純文学、エンタメ文学いずれも厳しいことに変わりはありません。だから金魚屋では新人賞をもらえばあなたの未来はバラ色などとは言いません。また世の中はビジュアル全盛で、これからそれがますます加速して、活字文学はさらに苦しくなります。ただだからこそ、文学で優れた表現を残そうと意気込む人もいると思います。来年は〝こっりゃすげぇや〟という新人作家をぜひ見つけたいと思います。
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■