『金魚詩壇 討議&インタビュー』『No.007 安井浩司 『烏律律』(うりつりつ)、そして『烏律律』以降(後編)』をアップしましたぁ。今年新句集『烏律律』を刊行なさった安井浩司さんのインタビュー後編です。インタビュアーは鶴山裕司さんです。このお二人の話は噛み合いますね。原理的思考者同士だからだと思います。自由詩や俳句を雰囲気(アトモスフィア)で理解せず、その原理を押さえて表現に向かおうとしている。もちろん何も考えずに秀作が生まれることもありますが、原理を押さえた作家は最後のところ強い。
商業俳誌を読んでいると、石川ですらこりゃひでぇなぁ、と感じることが多々あります。ただ大多数の俳人がそれでいいと思っているわけですからIt’s OK.です。そりゃ人間血気盛んな頃もあり、なにやってんだかと批判的舌鋒を繰り出すこともあるでしょうが、ある年齢を超えたら卒業しなければなりませんね。うんうん好きにしたらと傍観して、自分の信じる仕事を淡々とこなすわけです。人生短いんだから、人の思惑に振り回され続けるのは最後のところ時間のムダです。
ただ同時代の状況を気にしながら独自の仕事を生み出すのは難しいと思います。誰がどこに書いてて何の賞をもらった候補になったと気にしていたのではアカンのです。大局を言えば俳句はいまだポスト前衛俳句・社会性俳句の延長線上にあり、それを完全総括した者がいない以上、雑多な同時代批評よりも原典に当たった方が得るものは多い。現代に逆行する座と宗匠制の俳句の特性を考えるなら、もっと思考を遡らせなければならない。
商業詩誌ではよく「今年度の収穫」といった特集が組まれますが、それはジャーナリズムの都合。実際は文学状況などそう簡単に変わりません。文学金魚も文学ジャーナリズムの一つですが、月単位、年単位であたふたしません。原理的思考者を重用して文学状況を本質的に変化させたいと思います。そういう意味で金魚は現実俳壇に用はないです。むしろごく一般の読者の俳句文学に対する期待に応えたい。自由詩や小説に関しても同様ですね。
■ 『金魚詩壇 討議&インタビュー』『No.007 安井浩司 『烏律律』(うりつりつ)、そして『烏律律』以降(後編)』 縦書版 ■
■ 『金魚詩壇 討議&インタビュー』『No.007 安井浩司 『烏律律』(うりつりつ)、そして『烏律律』以降(後編)』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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