岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『No.077 特集「人物特集 中村草田男の遺したもの-『季題別 中村草田男全句』刊行記念」(角川俳句 2017年05月号)』をアップしましたぁ。中村草田男、偉大な俳人であります。俳壇では人生派に分類されますが、そういうレッテルを超えた力を持った作家でした。『降る雪や明治は遠くなりにけり』で有名ですが、この句だけで草田男を理解したと思うのはもったいない。ちゃんと読んで糧にすべき点をたくさん持っている作家です。
塩ささやく寒卵なる茹玉子
これはいい句ですね。簡単ですが真似できない。句を書いて壁に貼ってじーっと眺めていると、なんとなく俳句の奥深さが理解できる句です。
秋の航一大紺円盤の中
岡野さんはこの句について、『加藤郁乎の「一満月一韃靼の一楕円」は、草田男作を先行句としているかもしれない。杓子定規な有季定型に納まりきらない作家だった』と批評しておられます。あたりまえですが作家は縦横無尽であってよいのです。
林檎掻き出し掻き出し尽きし其籾殻
この句は正岡子規的な俳句探求の句として読むことができます。前衛俳句的な〝述志の俳句〟ではないですが、有季定型の中に俳句探求の神髄が表現されています。俳句はたいていは『籾殻』。たとえ『林檎』が見つかっても、さらに籾殻をかき分けて、古い地層から艶やかな俳句の富を見出さなければならないのです。
■ 岡野隆 詩誌時評『句誌』『No.077 特集「人物特集 中村草田男の遺したもの-『季題別 中村草田男全句』刊行記念」(角川俳句 2017年05月号)』 ■
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