小松剛生さんの連載ショートショート小説『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『N.037 小松流 手紙の書き方』をアップしましたぁ。今回はエッセイズム的ショートショート小説です。エッセイイズムは古井由吉さんの小説でお馴染みですが、これは王朝日記文学や随筆文学を発想の源にした小説の書き方です。もちろんエッセイズムで長篇小説を書くのは難しい。古井先生もチャレンジなさいましたが、失礼ながら成功作とまではいかなかったように思います。ただ基本、ショートショート小説との相性はいいと思います。
また個人的には王朝的「雅」といった〝純文学的プレテキスト〟を意識すると、エッセイズム小説はうまくいかなくなる面があると思います。村上春樹さんの小説だってエッセイズム的な短編がたくさんあるわけで、それを元にして長篇小説に発展していったケースがけっこうあります。エッセイズム、日本人のDNAに刷り込まれているような書き方です。
小松さんの場合も、エッセイズム的小説になるにしても、春樹さん的方法の方が相性がいいでしょうね。小説は基本、プロットを立ててから書き出すわけですが、とにかく書いてしまう。ダラダラ、でもテンポよく書いてしまう。お出かけすれば、事件は向こうから飛び込んでくる。それにとりあえず乗っかってみる。わけのわかんない男の子とか女の子とか、サメ博士に振り回される。で、ウロウロしているうちに着地点が見えてくる。古くて新しい書き方だな。そのうちそういった小説をお書きになるかもしれません(爆)。
■ 小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『N.037 小松流 手紙の書き方』 縦書版 ■
■ 小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『N.037 小松流 手紙の書き方』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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