連載翻訳小説 e.e.カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第08回)をアップしました。第3章天路歴程です。バニヤンを踏まえているのかな。カミングスらしいです。今回のパートはかなり翻訳が難儀だったようです。まー英語で読んでなんとなくわかるのと、日本語にそれを訳すのは違うことです。英語の語学力はもちろん、日本語能力も必要です。学者さんで高い外国語能力を持っていても、日本語のスキルが高くないと翻訳はできないのであります。
日本の現代詩人の中には、お題目のようにパウンド、ウイリアムズ、エリオットと唱えていれば、念仏を唱えている自分自身までもが偉くなったような気になっているお馬鹿さんもいます。驚くべきことに、そもそも基礎語学力がないのに翻訳に手を出したりもする。しかしそういったぬるいことが許されるのは日本の特殊な現代詩の世界だけだろうなぁ。誰が見たって低レベルの文学ごっこです。そういうことにイライラするのは石川だけかな(爆)。
世界は大きく変わり始めています。19世紀末から20世紀にかけて世界文学をリードしたサンボリズムを中心とするブランス文学、20世紀初頭の世界文学をリードしたモダニズム文学も、等しく読解を変容させなければならない時期に差し掛かっています。翻訳はその基礎資料になりますから、正確で体系的なものでなければ意味がない。さらにそこから何を読むのか、つまり未来の文学の糧となる何事を読むのかという問題がある。古典文学をアプリオリな〝偉い文学〟としていたのでは何も始まらない。わたしたちの中に蓄積している同時代文学として読む必要があります。
■ 連載翻訳小説 e.e.カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第08回) 縦書版 ■
■ 連載翻訳小説 e.e.カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第08回) 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■