金井純さんのBOOKレビュー『絵のある本のはなし』『No.053 『魔女図鑑-魔女になるための11のレッスン』マルカム・バード作・絵 岡野史訳(金の星社刊)』をアップしましたぁ。この本のことは知りませんでしたが、けっこうなロングセラーのようです。魔法とか魔女っていうのは、ツボにはまると多くの人の心を捉えるようです。
日本での「魔女」はすなわち『魔女の宅急便』のキキであり、古くは『奥さまは魔女』のサマンサである。これはこれで悪くないけれど、「魔女」や「魔法」の「魔」が「悪魔」の「魔」であることは、これら日本語表記にも表れていて、ようするにアンチ・キリストの要素がなければ「魔女」ではない。
キキちゃんやサマンサときたら、ヘタすりゃ「神さま、助けて」と十字を切りかねない。そこで一瞬でも躊躇する姿があれば、「あ、こいつら違うんだ」と伝わり、見る目も変わってくる。それがテレビドラマやアニメにとってプラスになることはないが、魔女というものが可愛い不思議ちゃん、という意ではない、少なくともそうではない文化から生まれた概念だというのは知っていてもいい。
金井純
読んでいてちょっと笑ってしまいましたが、金井さんの書いておられる通り。ラノベの定義はさまざまですが、軽く読める小説でなければならないのは確かでしょうね。ただわかりやすくスーッと読める文体と内容であると、作家の知識や文章力は別です。作家はいつだって、読者のエモーションを上から俯瞰するように把握していなければなりません。当たり前ですが読者と同じレベルにいてはダメ。読者がもう知っていて、読者がすぐに思いつくような内容ではダメなのです。
魔女について書きたいなら、まず魔女や魔法や錬金術について調べ倒すこと。調べれば調べるほど、当然、知識が溜まってゆきます。自然な流れとして、そのウンチクを披露したくなる。でもそれもちょいと立ち止まって考えた方がいい。知識を得て、いったんそれを相対化して眺めてみる。んで知識の中から、自分の資質や作品テーマに合ったものを選んで組み合わせてゆく。作品は単純なら読まれるというものではありませんし、複雑でも単なる知識の羅列では読者を惹きつけられません。
■ 金井純 BOOKレビュー 『絵のある本のはなし』『No.053 『魔女図鑑-魔女になるための11のレッスン』マルカム・バード作・絵 岡野史訳(金の星社刊)』 ■
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