山本俊則さんの美術展時評『No.070 『古代ギリシャ』展(前編)』をアップしましたぁ。東京国立博物館で開催された、『特別展 古代ギリシャ-時空を超えた旅-』の批評です。ギリシャとローマはなんやかんや言って、現代人にとって気になる時代です。特にギリシャは現代の演劇や哲学、文学、絵画の祖型になっていますね。また民主主義とオリンピック発祥の地でもあります。
古代ギリシャと現代ギリシャには明らかな断絶がある。なぜ紀元前七百年頃に恐ろしく高度なギリシャ文明が栄えたのか、その理由は説明できるようで説明しがたいところがある。(中略)
わたしたちは古代ギリシャに民主主義共同体があり哲学が栄えたことを知っている。演劇が盛んに上演され、ポリス同士の戦争の最中でも、一時停戦してオリンピックが行われていたのも周知の通りだ。ギリシャ文明の種子がローマ帝国の広がりとともに伝播し、ヨーロッパ各地で文化が華開いていったのだとは言える。ただヨーロッパがギリシャ文明の姿をある程度正確に知るようになるのは中世に入ってからである。当時のヨーロッパはどの国も絶対君主制の王政だった。紀元前のギリシャ以外で自発的な民主主義共同体が成立したことは、近代に入るまで地球上のどの地域でもない。
(山本俊則)
そーなんですよねぇ。ギリシャ文明はローマに吸収されたわけですが、ローマによってその文化が各地に伝播したとはいえ、全体像はだんだん忘れ去られてゆきました。ギリシャ哲学にしても、11世紀頃にイブン・スイーナー(アヴィンセナ)らのアラビア語の本がラテン語に翻訳されて、ヨーロッパに流入したわけです。山本さんの文明史的美術批評は、ギリシャの民主主義を中心に後半に進んでゆきます。じっくりお楽しみください。
■ 山本俊則 美術展時評『No.070 『古代ギリシャ』展(前編)』 ■
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