山本俊則さんの美術展時評『No.064 園子温展『ひそひそ星』』をアップしましたぁ。映画『ひそひそ星』の公開に合わせて東京青山のワタリウム美術館で開催された、園子温さん初の個展についてです。園さんは日本映画界で特異な位置を占める作家です。かなり自制しておられますが、テレビのドキュメンタリーやインタビューを見ていても、素ならすんごい勢いで現状の映画界の批判が口から溢れるんだろうなとわかります(爆)。それを口にしても平然としていられる力のある映画監督だということでもあります。
園の「今まで、『ひそひそ星』を作らなかったかったことで、悩まないで済んだんだ」という言葉はとても正直だと思う。この作家に通常の意味での倫理はない。世界を裸眼で見つめる作家だからだ。そこにはあらゆる人間のエゴイズムが蠢いている。それを描き出せば園の映画は止まらない。一直線に危うい線の上を突っ走ってしまう。
しかし本当に倫理はないのか。人間の愛や友愛は存在しないのか。それはこの世にいてはつかむことができない。『ひそひそ星』は間違いなく「霊的な映画」だと思う。そこでは霊というあるかないかわからないもの、人間を人間たらしめ、抽象であるがゆえに、崇高であるはずの霊が揺さぶられている。
(山本俊則)
山本さんはまた、『同時代で同世代の表現者で園子温を最も信頼し、敬愛している』とも書いておられます。石川も園さんは素晴らしい映画作家だと思います。間違いなく文学金魚好みだなぁ。正面中央突破で日本の映画界を変えようとなさっています。
■ 山本俊則 美術展時評『No.064 園子温展『ひそひそ星』』 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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