大篠夏彦さんの文芸誌時評『文芸5誌』『No.102 文學界 2016年07月号』をアップしましたぁ。7月号の表紙には『大型特集 18歳以上全有権者必読! 民主主義の教科書 柄谷行人インタビュー 改憲を許さない日本人の無意識』と印刷されておりまふ。なんかズレてるなーと思ったのは石川だけかしらん。
18歳くらいの若い有権者は、文學界を読んで政治に関する知識を得ようとは思わないだろうなぁ。文学者が現実政治に一石を投じられるような特権的知性や感性を持っていると信じ込むアトモスフィア自体が、時代とズレてるんぢゃないかなぁ。『改憲』という現実政治に食い込むトピックを本気で世の中にアピールしたいなら、Youtubeを使って生身の声をさらした方がよろし。見てもらえるようになるまでけっこう大変ですけどね。
現代社会はもちろん、それを取り巻くテクノロジーなどの環境も日々大きく変わっています。現代社会で他者を納得・説得できる発信者は、まずそのコンテンツの提出方法で時代感覚を問われると思います。そこでズレてちゃおしめーよです。文学者が文学の本質を極めることで、社会に一定の影響を与えるというのならわかります。でも文学者のまま社会批評家になってもねぇ。それは狭い文壇の中での自己差別化にしからならんように思います。
んで大篠さんは保坂和志さんの『彫られた文字』を取り上げておられます。『「彫られた文字」という作品は、その冒頭を読めばその後の展開がだいたい予測できる。驚かされるような事件は起こらないし、著者の決定的な感覚や思想が表現されることもないと断言できる。(中略)人によってはダラダラと、別の人によっては著者と読者の愉楽として、いつまでも小説が続くことが願われているのだ』と批評しておられます。純文学ですな(爆)。
■ 大篠夏彦 文芸誌時評 『No.102 文學界 2016年07月号』 ■
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