小松剛生さんの連載ショートショート小説『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『No.027 コオロギと殺し屋 (3)/コオロギと殺し屋 (4)/傘を書かない世界の話』をアップしましたぁ。『コオロギと殺し屋 (4)』の『世界の終わりのあと、自分ひとりだけ電話ボックスに閉じこもっている。扉の向こうでは作業員の男たちが何やら話し込んでいる。』っていう記述はいいなぁ。なんてことはないんですが、魅力があります。
もうひとつ、彼女との思い出について書こう。
彼女は犬を飼っていた。
名前をクリント・イーストウッドといった。
「なんでそんなめんどくさい名前にしたの」
クリント・イーストウッドはちっとも僕に懐いてくれず、彼女の足元に寝そべりながらちらっとこっちを見たかと思うと、目を閉じた。
「泳げるから」
「泳げると、どうしてクリント・イーストウッドなの」
「昔、そんな名前をした豚がいたから」
その豚は泳げたらしいから。
僕がすべてを理解できたとはとても思えないけど、それは彼女なりの世界を記述する方法だったのかもしれない。
(小松剛生『傘を書かない世界の話』)
これはもう、小松さんの独壇場ですね。俗から聖への飛躍があります。
んで第4回金魚屋新人賞の締め切りが近づいてまいりました。来月3月31日締め切りです。金魚屋新人賞はジャンル制限なし、枚数制限なしの新人賞です。この要項自体、金魚屋が新人の皆様に求める新しさのメッセージです。また新しい才能に出会えるのが楽しみです。ご応募お待ちしております。
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■