金井純さんのBOOKレビュー『絵のある本のはなし』『No.048 『もりのなか』マリー・ホール・エッツ著』をアップしましたぁ。マリー・ホール・エッツさんはアメリカの絵本作家です。絵と文章を書く作家さんですが、『もりのなか』は彼女の代表作として知られています。
金井さんは『この本については、前に書かなかったっけ、とページを見返してしまった。(中略)あまりに多くの人がこの本について言及していて、それが自分の言葉だったように勘違いするのか。(中略)しかし自己と他者を混同するというのは、ある意味ではこの本にふさわしくて、よく無意識的なものを象徴しているのだ、と言われているようだ。それは著者が心理学を専攻していたことや障害児の教育に従事していたことからも定説のように述べられている。ただ、そのように映る最大の理由はもちろんこの作品そのものにあり、なんとなく謎を含んでいるように感じるのだ』と書いておられます。ある本質を描いた絵本なのです。
ヨーロッパの古い物語は森の中で起こることが多いです。それだけ森が多いからですが、森はある種の母胎でもあり、一つの閉じた宇宙でもあるからです。マリー・ホール・エッツの『もりのなか』では一人の男の子が森の中を進んでゆきます。お供はウサギですが、男の子と森の動物たちとの触れ合いには参加せず、ただじっとそれを見守っています。それが不思議なことに、この物語を印象深いものにしているのです。
金井さんは『私たちは意識と無意識のせめぎ合いを生きている。(中略)物語は普通の意識に支えられている。しかし、それがそこにある、というところから問答無用に始まるのもまた、物語だ。無意識は物語の揺籃で、物語は成長するとこの揺籃を押しやり、意識的な言語を紡ぎ出す瞬間もまたある』と批評しておられます。じっくりお楽しみください。
■ 金井純 BOOKレビュー 『絵のある本のはなし』『No.048 『もりのなか』マリー・ホール・エッツ著』 ■
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