鶴山裕司さんの『BOOKレビュー・詩書』『No.018 『最前線』1972年2月15日-岩田宏氏追悼』をアップしましたぁ。今月2日に肺炎で82歳でお亡くなりになった岩田宏さんの作品集『最前線』を取り上げておられます。『最前線』は昭和四十七年(一九七二年)二月十五日刊行です。鶴山さんのコンテンツは岩田宏さん追悼文でもあります。岩田さんは今春から『マヤコフスキー叢書』(土曜社)の刊行をお始めになったばかりだったので、不肖・石川も岩田さんの訃報に驚きました。む~『マヤコフスキー叢書』完成させてあげたかったなぁ。
鶴山さんは岩田さんの詩集『頭脳の戦争』所収の詩篇「あくるあさ」を引用した上で、「戦後思想とは、〝どのような既存思想にも、どんな物質的、現世的誘惑にも左右されない独立不羈の人間精神〟。言葉で表現してしまえばそんな単純な記述になってしまうに違いない。しかし岩田氏は彼の確信を決して手放そうとはしなかった。彼の肉体的実存そのものとして思想を保持し続けた。独立不羈であるはずの精神を蝕む戦後社会への苛立ちは、他者に向けた激しい批判や罵倒となって現れた。だがそれよりも激しく岩田氏の内部に向かった。彼は自問自答を続けたが、遂に精神の「革命」を捨てて生活を選ぶことができなかったのである」と書いておられます。
今回のコンテンツを読むと、鶴山さんが思想・観念的にだけでなく、肉体的体験・感覚としても深く戦後詩や現代詩を理解しておられることがはっきりわかります。不肖・石川、戦後詩や現代詩の総括とポスト現代詩(戦後詩)の本質的理論化(批評化)は鶴山さんにまかせておけばいい、必ずおやりになるだろうと考えていますが、今回のコンテンツを読んでその思いを強くしました。鶴山さんはポスト戦後詩・現代詩世代では最も正統な戦後詩・現代詩の継承者だと思います。文学金魚詩部門アドバイザーに鶴山さんをお迎えすることができたのはラッキーでした。
ほんで今年も大晦日になりました。不肖・石川、文学金魚でもっとやりたいことがあったのに、三分の一もできなかったわぁ(涙)。んでもまあ、まだまだやりたいことがあるのは幸せだと思わなくてはなりません。今年は並びが良くて休日が多いですから、お正月は、な~んも考えずに飲みますぞぉ。新年会でベートーベン鈴木さんの名曲、『酒が飲めるぞ~』を大合唱するのはふんとに気持ちいい(爆)。みなさま良いお年を!。
■ 鶴山裕司 『BOOKレビュー・詩書』『No.018 『最前線』1972年2月15日-岩田宏氏追悼』 ■