田山了一さんのTVドラマ批評『No.068 ごめんね青春!』をアップしましたぁ。TBSさんで放送されていた青春ドラマです。脚本はご存知、宮藤官九郎さん。錦戸亮、満島ひかりさん主演で、斉藤由貴、森下愛子、平田満、坂井真紀、生瀬勝久、風間杜夫さんらのベテラン勢が重しになっておりました。クドカンさん、やっぱ力を持っておられると申しますか、役者さんたちが出たいと思ふ脚本をお書きになるんですねぇ。
田山さんは、『クドカンの新作。そう思うと、このタイトルがいきなり腑に落ちる。かつてのベタ青春ドラマのパロディだ、というふうに。ただ、パロディというだけでは視聴者の心はつかめない。パロディとは批評であって、視聴者が観たいのは作品だからだ』と書いておられます。『あまちゃん』が典型例になりましたが、最近のクドカン作品はポスト・ドラマになっております。今回はポスト青春ドラマですね。青春が虚構であることを示唆しながら、当事者を含めてその文脈を楽しみそこから少しだけ逸脱する。しかし古典的要素は外さない。
田山さんは、『クドカン作品では時折、山田太一ばりのものすごい正論が吐かれる。・・・それは何を示しているかと言うと、「反論の余地なし」ということだ。「女の子だからモノ投げちゃいけねーのか、女だから鐘も鳴ってねーのに教室に乗り込まれて、ヌルい説教聞かされて、色目使われても我慢しろってのか、そんでこのバカどもの中から配偶者選んで子供産めってのかよ」。・・・反論の余地はない。ごめんね』と批評しておられます。不肖・石川もこのシーン覚えております。名場面だったなぁ(爆)。
ドラマをドラマとして演じる(構成する)という従来の文脈を、少しだけずらしたのがクドカンさんの新し味でしょうね。〝虚構(フィクション)〟に対して敏感になっている現代人の感性を良く捉えているといふ意味で、昨日田山さんが取り上げた『池上彰の総選挙ライブ』にも通じる点があると思います。
■ 田山了一 TVドラマ批評『No.068 ごめんね青春!』 ■