日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第36回)をアップしましたぁ。二日続けて三浦センセのコンテンツアップです。三浦センセは論理学の専門家で批評もお書きになりますが、文学金魚的には『偏態パズル』の小説作家です。だって『偏態パズル』、すごいんですもの(爆)。無限増殖的テキストですわん。
今回は第十四回の第一ブロックと第二ブロックの間に挟まるエピソードで、大都会東京で体験・観察できる世界的おろち学のレポートであります。今回のコンテンツ、あと数十年経ったら貴重な社会風俗学資料となるかもしれまへん。一般的な潜入体験記と違って徹底して客観的なレポートですからねぇ。このあたりにも三浦センセの特徴がよく現れていると思います。単純な快楽原理に流されたりしないんですね。社会が良く見えておられる。
人間が隠したがる事象について書くのは大変難しい。社会(常識)からの抑圧を前提に書けば、秘法的とも淫靡とも言えるような作品ができあがります。思いきってあっけらかんと書いてしまうのも一つの方法です。ただ前者が自ずから読者を限定し、自主規制的な禁書の趣を纏うのに対して、後者にはより高い社会性が求められます。なぜ人間が隠そうとする事象を真正面から見つめるのか、その理由が問われるからです。
三浦センセが特殊作家であり、世界的(普遍的)作家になり得る可能性があるのはそのためでしょうね。隠す、あるいは開示する書き方にもルールはあります。いずれにせよ明確な覚悟がないと成功しないと思います。作品が活字になれば作家の手を離れ、世界中にばらまかれるものである以上、社会を意識しない創作はあり得ないのでありますぅ。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第36回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第36回) テキスト版 ■