池田浩さんの文芸誌時評 『 No.008 すばる2012年11月号 』 をアップしましたぁ。内田洋子さんの 『もの言うイタリア』 を取り上げておられます。内田さんはイタリア在住のジャーナリストだそうです。内田さんは 『もの言うイタリア』 を 『写真のキャプションのように』 お書きになっているそうですが、イタリアやヨーロッパの雰囲気が良く伝わってくる秀作のようです。
島国といふ環境のせいか、日本人は外国モノのエセーやルポルタージュが好きですよね。不肖・石川も大好きであります。あまり有名ではない著者の方の本を含めて、旅行記には好著が多いのです。情報を得るのが目的の一つですが、心の中に波風を立てたいという欲望もあるやうな気がします。
日本が単一民族かどうかは議論のあるところですが、諸外国に比べれば、非常に単一的な国だといふことは確かだと思います。しかしど~も日本人は日本的精神といふものを対外的に伝達するのが下手であります。『茶の湯』や『武士道』、『俳句』などで日本文化を伝達しようという試みは盛んですが、なんだかな~と感じるのは僕だけではないと思います。
以前、テレビを見ていたら、アルゼンチンのアニメ・フィギュアヲタクの青年が、『日本はキリスト教的な一神教じゃないから万物に神が宿るんだよ。フィギュアがそうだね』とおっしゃっていました。こっちの説明といふか、切り口の方が納得できるかも (笑)。池田さんは外国文化を紹介するなら、『返す刀で同様に魅力的な日本文化の本質論が用意されていなくてはなるまい』と書いておられますが、そのとおりだと思います。
■ 池田浩 文芸誌時評 『 No.008 すばる2012年11月号 』 ■