有富千裕さんの文芸誌時評 『No.001 Feel Love Vol.15 (2012 Spring)』 をアップしましたぁ。このところ新しい時評者さんが続々登場されていて、嬉しいかぎりです。『Feel Love』 は誌名のとおり恋愛小説誌です。ジャンル的にはラノベ (ライトノベル) ってことになるのでしょうか。表紙を見てもずらりと女性作家のみなさんが名前をつらねておられます。有富さんはその中で盛田隆二さんの新連載小説 『残りの人生で、今日がいちばん若い日』 を取り上げておられます。
ところでライトノベルってジャンル、いつごろから一般的になったんでしょうねぇ。日本語訳すれば、かる~くすんなり読める小説っていう意味でしょうか。内容的には昔から類似の作品はありましたが、ジャンルとして意識されるようになったのは最近のことのような気がします。吉本ばななさんが登場したあたりかなぁ。今では専門雑誌が刊行されるくらいの勢いであります。
金魚屋の文芸誌時評を見ていると、日本では毎月毎月大量の文芸誌が刊行されていて、各雑誌は中核著者を抱えてはいますが、作家さんたちはいろんな雑誌に書いておられます。「よく作家になりたい」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、どんな形でもいいから作家になりたいのなら、比較的簡単だと思いますよ(笑)。
本が売れるか売れないかは別として、毎月刊行しなければならない文芸誌は明らかに著者不足です。てゆぅかぁ、もっと売れる作家を鵜の目鷹の目で探しておられます。で、作家になるための登竜門は各雑誌の新人賞を受賞することだと思いますが、それには雑誌の編集方針を理解する必要があります。
よく作家の卵さんは、「いい作品を書けば新人賞は受賞できるはず」 とお考えになりますが、それはちょっと正確ではありません。要するに選者の方が全員一致で 「これはいい!」 と思うような作品など、そうそうないのです。そうなると、選考基準は相手の都合になります。わかりやすく言えば、版元の出版社や雑誌編集部がどんな作家を欲しがっているのかという意図に当落が左右されるわけです。
受験はどれだけ勉強したかをテストするものではなく、大学ごとにクセのある問題を出して、その大学好みの学生を集めるためのシステムであるという考え方があります。いわゆる 「傾向と対策」 ですね。それと同じことが文芸誌の新人賞にも言えます。新人賞を狙っておられる皆様、金魚屋の文芸誌時評、参考になると思いますよ(笑)。金魚屋文芸誌時評をお読みになって、みなさんの 「傾向と対策」 の参考にしてくださいませませ。
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