佐藤知恵子さんの大衆文芸誌時評『寅間心閑の肴的音楽評』『岸本惟「砂の灯台」』(小説新潮 2021年06月号)をアップしましたぁ。岸本惟さんは日本ファンタジーノベル大賞2020優秀賞を受賞なさった作家さんです。安定した力量がありますねぇ。
ファンタジーノベルという括りは馴染みがないかもしれませんが、佐藤さんは『初版は新潮社様ではありませんが、小学生の女の子に絶大に支持されている梨木香歩先生の『西の魔女が死んだ』がティピカルな作品かもしれません』と書いておられます。小学生かどうかわかりませんが、ちょい前まで女子中高生などにも非常に人気のあった作品です。SF的近未来小説というよりパラレルワールド的小説ジャンルと言った方がいいかもしれません。
小説は基本的に現実世界を舞台とするわけですが、SFやラノベではパラレルワールドモノがかなりあります。じゃなぜ現実世界ではなく異世界、現世とは違う世界を設定するのかと言えば、ある本質を描くためですね。作家が書きたい本質をストレートに表現するために設定された世界です。この表現本質がしっかりしていないと、作品の大枠である世界設定がブレる。軽い読み物と思われがちですが、そうではありません。作家主題がかなり重要になる表現ジャンルです。
■ 佐藤知恵子 大衆文芸誌時評『岸本惟「砂の灯台」』(小説新潮 2021年06月号) ■
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