小原眞紀子さんの新連載小説『幕間は波のごとく』第01回をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの新連載サスペンス小説です。この方筆力があります。一定レベルでガンガン小説をお書きになります。
今回はどうやら熊本が舞台で、四姉妹が錯綜した関係性を結ぶようです。小原さんはご両親が熊本出身なので、熊本弁はお手のものですね。そして中年に差しかかった女性四人が主要登場人物なので、かしましい。つまり文章にスピード感がある。これは期待できるサスペンス小説になりそうです。
サスペンス小説は事件が起こり、その考察と探索を重ねてキッチリ事件が解決するまでを描く小説です。その意味でパターンがあります。ただパターンがあるから大衆文学というくくりは正しくないということを、石川は何度も繰り返し書いています。パターンというなら純文学小説にも明確なパターンがある。読み始めてすぐにどういうタイプの純文学小説なのか、あのジャンルを読み慣れた人なら一瞬でわかると思います。
小説は物語です。そして物語は世界を動かす。映画もテレビも戯曲も物語がなければにっちもさっちもいかない。サスペンス小説は物語の王道ですが、真正面からパターンを踏まえてそれ以上のレベルに抜けるのが優れた小説だと石川は思います。小原さんにはそういった力があるでしょうね。
■ 小原眞紀子 新連載小説『幕間は波のごとく』第01回 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 新連載小説『幕間は波のごとく』第01回 横書版 ■
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