萩野篤人 文芸誌批評 No.018 有賀未来「あなたが走ったことないような坂道」(新潮2025年11月号)、連載評論『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』(第04回)をアップしましたぁ。有賀さんは高校3年生で新人賞受賞です。時代の雰囲気がよく表現された小説だと思います。
ただアトモスフィアの域は抜けていません。「それでも、あたしは生きてるんだって、生きていくしかないっていうか、それ以外のやり方を知らない、だけ?」とあるように、迷える私性が物語を呼び込んでいる。そこにどう決着をつけるのかが次作以降の課題ですね。
『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』は第四回で九鬼の思考に沿って偶然性の探求が続きます。「偶然性は不可能性の無の性格を帯びた現実である」というところまで九鬼の思想は進んでいる。現実が存在しなければ偶然も存在しない。現実を抜きにすれば偶然は無に飲み込まれる。ではこの〝無〟とはなにか。なぜ無から偶然が生じるのか。スリリングな思考は続きます。
■萩野篤人 文芸誌批評 No.018 有賀未来「あなたが走ったことないような坂道」(新潮2025年11月号)■
■萩野篤人 連載評論『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』(第04回)縦書版■
■萩野篤人 連載評論『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』(第04回)横書版■
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