寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『三十六、画面の中』をアップしましたぁ。どんどん関係性がこんがらがってきました。『助平ども』のタイトル通り、男の女、というより男性主人公を中心とした女性がらみです。
男女関係は小説の醍醐味です。醍醐味というより、ほとんどの小説がなんらかの形で男女関係を中心に据えています。これはジェンダーとはぜんぜん関係ない。もっと地上のお話しといいますか、根源的なものです。それを小説が手放すことはないでしょうね。
男の側から異性を描く場合、重要なファクターとして性欲と社会性があります。この二つの要素が結びついて男性中心の小説は作られてゆくことが多い。女性主人公の場合、男はソエモノであることが多い。男は登場するし、主人公の女性を激しく惹きつけ動揺させたりもしますが、女性は実は現実の男の向こう側を見ている、希求していることが多いわけです。
『助平ども』は男性小説、男根小説ですから、当然のことながら性と社会性が中心になります。性は衝動的です。後先考えない。社会性の方は最初から成立している。男を雁字搦めにしている社会的制度ということになります。性が社会性(制度)を壊し、社会性が性の衝動を裏切る、つまり女性とのトラブルになる。構造としては単純ですが、その表れは無限に多様です。『助平ども』はとことんこんがらがっていきそうな気配ですぅ。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十六、画面の中』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十六、画面の中』横書版 ■
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