文学金魚ちゃんねる『石川良策、文壇・詩壇を斬る!』『Vol.8 短歌の未来はどうなるの!?』をアップしましたぁ。第7回目に続き短歌のお話しです。今回は短歌(詩)の「理念」についてお話しさせていただきました。要するに前衛短歌はどうあるべきか、口語短歌からニューウエーブ短歌への短歌の流れは今後どう進むのか、進むべきなのかといった短歌の未来のお話です。
口語短歌やニューウエーブ短歌を書いておられる若手歌人の皆さんは、自分はとてもオリジナリティの高い作品を書いていると思っておられるでしょうね。しかし高嶋秋穂さんが角川短歌の時評で書いておられるように、歌壇の外から見ると口語短歌やニューウエーブ短歌の書き方は非常に良く似ています。ステレオタイプ化していると言ってもいい。若手歌人はかつての写生短歌や戦後短歌を似たような古くさい作品群と思っているかもしれませんが、自分たちもそうなりつつある。ここに短歌という型の芸術、多かれ少なかれ集団的営為で新たな表現を模索してゆく芸術ジャンルの怖さ、落とし穴があります。
文学金魚は口を酸っぱくして総合文学や文学の原理ということを言います。総合文学とは自分たちが関わるジャンルを相対化することです。短歌であればそれは型の文学であり伝統と切り離せない。文学の原理も同様です。原理を抑えなければ新しいことをしているつもりで、どんどんジャンルの掟から外れていったりします。その逆に気がつくと新しい試みが、ジャンルが最初から持っていた陥穽のようなものに落ちてしまうことになりかねません。真に時代のトップランナーであるためには総合文学的視点と文学の原理を抑えることは不可欠です。
特に現代は近過去の戦後文学の理念が消滅し、21世紀の新たな情報化社会にどう文学が向き合うのか、激しく混乱しながら試行錯誤を重ねている時期です。口語短歌やニューウエーブ短歌が21世紀的な短歌のスタートラインになるのは間違いないですが、それが落とし所ではないでしょうね。考えるべし、もっと試行錯誤すべしであります。俵万智さんを基点とすれば口語短歌(ニューウエーブ短歌)はすでに40年以上の歴史を持っています。しかし初発の衝撃を越える真に新たな作品と理論はまだ生まれていないと言っていいと思います。
ほんで石川がお話している内容は、高嶋秋穂さん、岡野隆さん、鶴山裕司さんの論考などの受け売りとレジュメであります(爆)。石川は文学金魚で選んできた批評書きの皆さんの思考方法は新しいと思います。表層的な新し味ではなく本質論だから新しい。次回は俳句についてお話しします。ちょっと憂鬱ですが(笑)。
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