鶴山裕司さんの連載小説『横領』(No.03)をアップしましたぁ。金魚屋から『日本近代文学の言語像Ⅱ 夏目漱石論-現代文学の創出』を好評発売中の鶴山さんの連載小説です。通俗純文学小説全開ですねぇ(笑)。小説の基本は男と女とカネだと言うと眉をしかめる人がいますが、現世をきっちり描くのが小説です。何か言いたげだけど、最後まで読んでもモヤモヤとしてサッパリ意図がわかんない純文学モドキの小説はアカンです。小説は原点を踏まえなければならない時期にさしかかっています。
石川は毎月純文学小説誌を斜め読みしていますが、小説のレベルは明らかに全体として下がっています。物語になっていない。純文学的顔つきはしているのですが、純文学に必要な切迫した文学の〝純〟な部分がちっとも伝わって来ない。つまり純文学が形骸化しています。
一番考えなければならないのはもちろん小説家ですが、批評もまた役割を果たしていません。文芸誌に小説批評は載りますが、だいぶ前から批評家は小説批評を自己主張の道具にしています。つまり小説をダシにして〝創作批評〟を行っている。柄谷行人さんあたりが始めた批評の弊害ですが、柄谷さんほど頭のいい批評家ならともかく、二番煎じ三番煎じでは創作批評としても新し味がない。
文学金魚に掲載される小説の実作も文芸誌時評などの小説批評もオーソドックスに見えると思います。文学金魚掲載の小説はきっちり物語があり、モヤモヤとした主人公の心理描写ではなくはっきり事件が起こって主人公などの心理が動きます。小説批評も作品に即してその長所や短所を評論しています。現代の大勢である純文学的アトモスフィア小説、批評家が自己主張する創作批評と比較すればオーソドックスですが、文学金魚の方が正しい。いずれはっきりします。
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