小原眞紀子さんのBOOKレビュー『肉体の時間』―朝吹亮二詩集『ホロウボディ』&連載エセー『詩人のための投資術』『第十六回 事業投資I――夢の仮想通貨取引所』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の、小原さんの詩書書評と経済エッセイです。
もう2000年代になって20年が経とうとしていますが、時間が経つといろんなことがはっきりしてきます。現代詩と呼ばれる日本の20世紀前衛詩は1980年代くらいから陰り始めて90年代にはほぼ終焉を迎えたと思います。その掉尾を飾ったのは朝吹亮二さんと伊藤比呂美さんでしょうね。
小原さんは『朝吹亮二の詩句が「肉体」であり、欲望そのものたらんとしていたのはしかし、今に始まったことではない。それこそが朝吹亮二の詩句が、80年代から今日に至る死屍累々の中での生存確認を為されてきた理由だ。すなわちそれは生存確認を要求する存在、「肉体」であったということだ』と批評しておられます。朝吹さんと伊藤さんの詩には共通点があります。その一つのキーワードが「肉体」ということになるでしょうね。
で、小原さんの経済エッセイ『詩人のための投資術』は『夢の仮想通貨取引所』です。政治と経済と文化が連動していることも、情報化時代になってますます明確になっています。文学者たちが現代を捉えにくくなっているのは経済システムが複雑になっているからだという面が確実にあります。戦後経済は今から振り返ると単純でした。製造業と発明(新案)の時代でしたね。それは普遍としても、現代経済を引っ張る大きな要因が仮想通貨などに代表される投機なのは確かです。それを理解できないと現代は正確に把握できません。
文学者はある程度の年齢になると、専門ジャンルを持たないとなかなか生きにくくなります。小原さんは文学者には珍しく今現在進行中の経済動向にお詳しい。できればなんかで大きく当てて、是非文学金魚に投資していただきたいですぅ(笑)。
■ 小原眞紀子 BOOKレビュー・詩書『肉体の時間』―朝吹亮二詩集『ホロウボディ』 ■
■ 小原眞紀子 連載エセー『詩人のための投資術』『第十六回 事業投資I――夢の仮想通貨取引所』 ■
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